続いて紹介する部署は、鉄工課です。
鉄工課は、アングルやフラットバーなどの鋼材を加工し、看板を支える鉄骨をつくる部署です。またさび止め塗装を行います。
溶接、切断、塗装、穴あけなど様ざまな仕事を請け、扱う器具も多い部署です。
ボルトやナットなどの小さく細かい道具も多数扱うので、手先の器用さや記憶力を求められる部署でもあると思います。
↑長い鋼材を切断するときに使う機会。穴を開けたりもできる。
鉄工で作られた鉄骨枠組みです。
我々が普段目にしている立体的な看板の「骨」を造っています。
大規模で難しい作業、器具を扱うため、研修中はほとんどが見学ですが、工場の部署の中で最も図面がわかりやすく感じました。
実際に図面通りになっているかを確認したりするのが楽しかったです。
続いて次の部署は、板金課です。
「板金」という単語はチャンネル課の紹介の中でも出てきましたが、ここは、鉄鋼で作った枠組みを囲うための板金やアングル、大規模チャンネルの側面、縁などを加工する部署です。主に曲げ、切断、溶接を行います。
鉄工で作られた「骨」に「皮」を被せる役割を担います。使う機械は様々です。工場内全部署の中でも最多だと思われます。
「シャーリング」と呼ばれる、数値を入力してその数値通りに板金を切断してくれる機械です。
プレス機の1種で、刃による切断ではなく圧力で板金を切り離します。
板金といえば、の機械といったらシャーリングかこのベンダーでしょう。
ベンダーは、曲げ加工を行う機械です。こちらもプレス機の1種です。
ペダルを踏むことで刃が下りていき、板を曲げます。指定した角度、手順にそって板金を曲げていきます。
複雑な計算が必要となるので、私のような単細胞は扱うのがとても困難です。
計算は別の人に任せて、私はただひたすらペダルを踏み続けました。
こちらは第三のプレス機、名前はわかりませんが、鋼材に垂直の切り欠きを行うことができます。
こちらはプレス機ではなく、円形の刃を油と共に回転させ、鋼材を綺麗に切断する機械です。
断面が綺麗に仕上がり、角度を変えて切断することもできます。
このように様々な機械を駆使し、バラバラの鋼材たちをつなぎ合わせ看板を形づくる仕事を担っています。
続いては製作課です。
製作課は鉄工課や板金課と違って、表示面の仕上げに関わる仕事を担います。
鉄工・板金課でできた鉄骨にシートや切り文字を貼っていきます。鉄工が骨を、板金が皮を作るとするならば、製作課は服を着させる部署と言えるでしょう。
繊細な作業が多く、作業中の小さなミスが仕上がりに大きく影響します。
こちらも今までと同様、大小様々な機械を使いこなしながら、仕上がりのクオリティを求められるという神経を使う部署です。
さらに、コロナ禍になってから皆さんもよく目にするあのアクリルパーテーションも、製作課で作っています。
ロールスローラーと呼ばれる機械。パネル等にシートを張る際に使用します。
上から圧力をかけ、綺麗にシートが貼れますが、ちゃんと掃除ができていなかったり、シートが歪んでいたりすると、貼った後の面に凹凸ができ、見栄えが悪くなることがあります。
パネルソーと呼ばれるその名の通りパネルをカットするのに使う機械です。
正面から刃が見えず、安全に、かつ正確にパネルをまっすぐ切断できる優れものです。
続いては最後の部署となりますシート課です。
製作課と同様、細かい作業が多く、仕上がりに影響する業務がほとんどなので、少しのミスにも注意しなければなりません。
シート課はその名の通りパネルや鉄板に貼るシートを管理している課です。
シートは大きく、プリントとフィルムの2種類に分かれています。
プリントとは、PCでデザインした色などが印刷されたシートのことです。
グラデーションや、グレーなどの曖昧な色の物を作るのに適しています。
フィルムとは、裏側に粘着剤のついた単色のシートのことです。
プリントと違い、単色や木目調などの単純な柄しかありませんが、色が鮮やかで店舗の看板によく採用されます。
プリントについて
印刷物で広告を行う媒体を総称として「メディア」という言葉がある。
印刷によってデザインされたプリントはメディアとして呼ばれている。
メディアやインクジェットの表面を保護するための透明のシートをラミネートという。
ラミネートにはグロス(ツヤ有)、マット(ツヤ無)の3種類が存在する。プリントは色を自由に調整できるが難しく時間がかかる。
フィルムについて
フィルムは単色のものが多くプリントより強いため、細かい切り文字が可能です。
大きく分けると3種類あります。一つはマーキングフィルムです。
フィルムはほとんどこのマーキングフィルムのことを指しています。
材質は塩化ビニルで、プロッターという機械で傷やケガキを行うのに適しています。
また、内装等で使う表面に印刷の施された化粧仕上げフィルム、ガラス面に貼ることで割れた際の飛散防止効果や日射調整の効果を付加できるガラス専用フィルムがあります。
以上が、私が当社の研修でまわった工場の全部署になります。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
就活生の皆さん、これを見て、少しでも協同工芸社に興味を持たれましたら、ぜひ、一度見に来てください!
皆様が、将来を明るくするような選択ができることを祈っています。
色々と頑張ってください。私も頑張ります。
ありがとうございました。
(おわり)