■つくったひと
首都大学東京大学院 システムデザイン研究科 インダストリアルアート学域
K・Hさん
■デザイン背景
はじめに看板の概要を聞いた時は、決められた看板の規格よりも大きな看板を作りたいと思いました。
それは看板の規格内だけで完結せず、さらにそこから広がるものが受け手にとって見えたり想像できたらいいな、というような意味です。
そこからある意味無限につづいていく「パターン」のイメージを踏んでデザインをしました。
パターンを作るさいに、モチーフとしてレモンを選びましたが、正円や正四角形のような幾何学形ではなく、あえて身近な果物をチョイスしたのは、(もちろん自分が可愛いと思ってはいますが)あたたかい印象を与えたかったのと同時に、もう一つ狙いがありました。
じつは、上でパターンと説明をしましたが、描かれたレモンは、ひとつひとつ大きさや形が微妙に違います。
現実世界でも、まったくおなじ形のレモンがないように、この看板の中でも、まったくおなじ形のレモンは作りませんでした。
あえてそうしたでこぼこな感じがパターンの形式をいい意味で崩して、あじわいを深くしているのでないでしょうか。
受け手が想像する余地をあえて多くしたことで、より遊び心のある作品に仕上がったのでないかと思います。