当社では、配属される部署関係なく約1か月の工場研修が設けられます。
2~3人のグループに分かれ、工場内の各課をまわります。
各課の概要とともに、私の経験を紹介します。
私が最初に研修を受けた課は、「塗装課」です。
塗装課は、文字通り製作した商品の仕上げの塗装を担っている課です。
●仕事の流れ
①脱脂作業
②プライマー塗装
③乾燥
④ケレン作業
⑤調色
⑥本塗装
⑦釜入れ感想
①
塗装に入る前にまずは物をきれいにします。
個人の見解ですが、塗装の工程になかで最も重要だといっても過言ではないと思います。
脱脂作業では、油汚れを溶かすのに有効なシンナーを使います。
また、シンナーは塗料を薄める希釈液としても使えるため、塗料の粘度を下げて塗りやすくする効果もあります。
②
プライマーとは、塗装の工程の中でも最初に行われる下塗りに使われる塗料です。
Primary(初めの)という意味があり、塗料と下地部分の接着力を強くする働きがあります。
④
乾燥が終わった後、塗装面に付着した小さなゴミや傷、凹凸をスポンジヤスリで削り、消していきます。
⑤
塗料を混ぜて色をつくる作業です。
日の明かりに当てながら、塗料を少しずつ加えて混ぜていきます。
⑥
この工程でやっと物に色がついていきます。
次はLED課です。
この課は、看板を光らせるために使うLEDモジュールを看板内部へと接着し、「内照式チャンネルサイン」をつくります。
仕事の流れとしては、本社工場、または外注でできたものを一旦解体し、中にLEDモジュールを仕込み、梱包して発送します。
LEDを扱うため電気に関しての知識はもちろんのこと、扱う道具も作業も多く、幅広い技術を必要とする部署の一つです。
看板の完成を見ることが多く、看板の仕上がりに大きく関わる重要な役割を担っています。
続いて3部署目は、NC課です。名の通り「NC加工」を行います。
NC加工とは、数値制御による「機械」の加工方法です。
座標を入力し、レーザーやドリルによって材料を切断、彫刻を機械で行います。
NC課で扱う機会は大きく2種類に分けられます。
一つは「ルーター」です。
ルーターはドリル刃の高速回転で部材をなぞるように切っていく機会です。
加工する主な材料はパネル(アルミ複合版)、カルプ、木材などが挙げられます。
レーザー加工だと焦げてしまう材料、細かく立体的な凹凸のあるデザインの物はルーター加工が適していると考えられます。
私は工場配属ではありませんが、そのうちルーターを使いこなしたいと思うくらい魅力的な機械だと思っています。
↑左の画像が実際のルーター機械です。
右の画像のものは、私たち研修生を指導してくださった方が、実際に暇つぶしでルーターを使いつくったものです。
二つ目の機械は、「レーザー」です。
その名の通りレーザーで焼き切る加工を行う機会です。主に金属板、アクリルを加工します。
ルーターと違い、ドリルを消費しないため切断力な高さを長期間維持できますが、ドリルのように様々な形状のものに取り換えたりはできないので、ルーターのように複雑で立体的な切り欠きはできません。
当社では、他部署で扱う小さなパーツや、表札のカット、彫刻を行っています。
↑実際にレーザーで鉄板を切断している様子をとったものです。
↑当社で作るほとんどのチャンネル表札はレーザー加工により作られています。
続いては、チャンネル課です。
そもそも度々登場する「チャンネル」とは何か、ご存じですか?
チャンネルとは、文字をかたどった立体的な看板を指します。
チャンネル課では、このチャンネルに関わる様々な仕事をこなしています。
例えば、チャンネル側面の板金加工です。
また新しく「板金」という用語が出てきてしまいました。
この単語は、二つの意味を持ち、名詞としても、動詞としても使います。
「板金」とは、薄く平らに形成した金属のことです。
また、その素材を常温で加工すること「板金する」といいます。
つまりチャンネル側面の板金とは、チャンネルの側面を薄い金属の板を使って加工しつくることです。
また、先ほど説明したレーザーによって切断してできたチャンネル表札の研磨も行います。
チャンネル側面の曲げ加工を行う機械
皆さんも使ったことがあるかもしれません。「はんだごて」です。
チャンネル側面と表面を溶接するのにしようする器具の一つです。
YAGレーザーと呼ばれる溶接器具です。
はんだより扱いが難しいですが、仕上がりがすっきりしています。
レーザーで金属を溶かして溶接するので注意が必要です。
↑YAGレーザーで溶接したときの溶接面
チャンネルに関わるほとんどの仕事をこなさなければならないので、幅広い知識と技術を必要とします。
実際に研修でまわった部署の中でも、LED課とチャンネル課、そして後に紹介する製作課は特に大変そうでした。
これまで紹介した4つの部署は、当社第2工場で仕事をします。
これから紹介する4つの部署は、第一(本社)工場を拠点とした部署になります。
ここまででやっと半分紹介し終わりました。
折り返し地点です。もう半分どうかお付き合いください。
(3/3へつづく)