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10月9日「営業職×中小企業で働く」(9月27日の敬愛大学様での講義内容ログです)

CSR活動
総務部

■テーマ:『営業職×中小企業で働く』

「キャリア基礎開発」という就活を見据えた授業ということで、学生の皆さんに身近な社会人の先輩として、新卒入社5年目人事課の松村が担当致します。

私は新卒で協同工芸社に営業職として入社し、3年目から経理に異動、経理業務の傍ら新卒採用を担当して、5年目からは会社初の「人事課」として仕事をしています。

学生時代は都内の大学で経営学部に所属する文系の学生でした。

文系の学生はファーストキャリアに営業職を選ぶことも多いと思います。

営業職の仕事、僕は大企業で働いたことはないので中小企業での営業職はどのような業務内容で、何が大変で、どう成長することができるのかということをメインに進めていきます。

 

■看板会社とは

有名な飲食チェーン店、その土地のランドマークとなるような看板を手掛けている協同工芸社ですが、業種としては「製造業・建設業」が主となります。

看板は屋外広告と言われることも多いため、よく「広告業」や「デザイン業」と混合される方もいらっしゃいますが、あくまで「看板自体をつくって・施工する」のが協同工芸社の仕事です。

 

仕事受注の流れを簡単にまとめると、

1、顧客・看板を出したい企業

2、(広告代理店・デザイン会社・建設会社など)

※顧客がデザイン決めることも多いので、2のステップがない場合もあります。

3、協同工芸社(看板製造・設置会社)
となります。

顧客からのデザインを看板として正しい形に修正することはありますが、0からデザインをすることはまれです。

顧客から要望・ロゴ・指定の色などのデザイン素材を受け取り、それらを組み合わせて看板の意匠をつくり、最適な看板(看板にもいろいろ種類があります)や設置場所を提案します。

 

■看板ができるまで

協同工芸社では様々な職種の社員が働いていますが、中心となるのは「営業」「設計」「工場」の部署です。

 

流れとしては、
営業 ― 新規営業・既存客案件・問い合わせ対応

→顧客 ― 案件仮依頼

→営業 ― 要望・現場確認 提案プラン作成 設計へ指示

→設計 ― 営業提案プランをもとにイメージプラン作成

→営業 ― イメージプランに基づいた見積作成 イメージプラン+見積を顧客へ

→顧客 ― 依頼決定

→営業 ― 納期等打ち合わせ 工場へ指示

→工場 ― 看板製作 看板設置

→営業 ― 引き渡し

 

実際は現場状況によって異なりますし、細かいステップも色々ありますが大体こんな感じです。

上記の流れでもわかるように、営業が会社の外「顧客」と話しをまとめ、会社の内「設計・工場」へ指示をだしていきます。

仕事が動くたびに営業を経由するということです。

 

■中小企業の営業

次は視点を変えて商材としての「中小企業の看板」から営業を考えていきます。

 

大企業と中小企業の違いの一つとして「知名度」や「商品の独自性」、ここではまとめて「ブランド力」の違いが挙げられます。

「ブランド力」はビジネスでとても大事な要素で、これがあるとより「利益」を得ることが出来ます。

「利益」というのはざっくり説明すると「販売価格から作るのにかかった費用を引いたもの」です。

 

似たような服なのに、有名ブランドのロゴがワンポイントで入っているだけでこんな値段するの!?という経験ありませんか?

そのブランドが好き、ファンである方は値段をあまり気にしないですね。それゆえにより販売価格を高くしても売ることができて、その分高い利益を得ることもできる。

これが「その会社や商品のブランド力が高い状態」です。

 

しかし、中小企業だとなかなかそうはいきません。中には大企業にも負けないような独自性をもっていてロケットの部品に使われるなんで話もききますが、残念ながら協同工芸社の看板にそこまでのブランド力はありません。

ブランド力がない状態の商品が競争できる要因は「価格」になってしまいます。価格を下げて顧客に販売する。

しかしこれは企業として望ましい状況ではありません。安く売れば売るほど先述の「利益」が下がってしまいます。

 

では、知名度や商品の独自性などの「ブランド力」が無い企業はどうすればいいのか。

一つの答えが「営業がブランドになる」ということです。

営業は顧客と直接やり取りする仕事です。

営業こそがその会社の代表であり、会社の知名度や商品以外に顧客へのブランド力を高めることができる唯一の要素です。

 

あなたが顧客だとしたら、

・自分の欲しいものをなんとなく伝えただけでも具体的に提案をしてくれる

・困ったときに電話をするとでてくれる(折り返しをくれる)

・看板、お店づくりに同じ目線で真剣になってくれる

こんな営業と仕事をしたいと思いませんか。対応がいい営業がいる会社に、多少値段が高くてもまた頼みたいと思うでしょう。

これが「営業のブランド力が高い状態」であり、知名度や商品以外の付加価値を提供し、利益を上げることができる状態になります。

 

■営業として働いて得られるもの

最後に、営業として働いて得られる2つのものを説明して終わりたいと思います。

1つ目は「社会人としての基礎的な力」です。

私見ですが、基礎的な力とは「コミュニケーション能力(コミュ力)+ある程度の心の強さ(メンタル)」です。

よく「話すのが得意」をコミュ力が高いと思っている方がいますが、私は「相手の言いたいことを理解できる」がコミュ力の高い人だと思います。

顧客と接する回数を重ねるごとにコミュ力は訓練され、学生時代とは異なり様々な人と関わらなければいけないのでメンタルにも負荷がかかります。

メンタルに関しては個人差があるので難しいですが、ある程度の強さを備えつつ、負荷を我慢することを覚えるのではなく解消法を身につけていきましょう。

 

2つ目は自社以外の「いろいろな仕事」を知ることができます。
看板は店舗を形作る1つの要素に過ぎません。他にも内装・配管・什器・空調・設計などなど、様々な業種の会社や職種の人が協力しながら店舗が出来上がっていきます。

さらにその店舗には事前段階で出店を決める仕事、土地の保有者と交渉する仕事、オープン後のレジ等システムを調整する仕事、商品を仕入れる仕事、そして店舗を運営する仕事があります。

 

営業は顧客だけではなく社外の協力会社の人とも関わりが多く、学生時代には知りえなかった多くの仕事を知ることができます。

新卒で入った会社が自分にとって最高の会社ならラッキーですが、転職する社会人が多いことも事実です。そうなったときに、営業職なら自分の選択肢を働きながら広げておくことができます。

 

■まとめ

今回のテーマは「営業職として中小企業で働く」でした。

結論としては中小企業で働くことで、自分がブランドになる経験を通し「個の能力」を高め、営業職として社外の人と関わることで「外の世界」も知ることができるということです。

「営業職×中小企業」という選択肢に対して、少しでも理解いただけたなら幸いです。