こんにちはー!
2020年度入社の玉那覇(たまなは)です!
今回は、あまり記事にされない鉄工課での新人研修の模様をお伝えします。
鉄工課では、専門の知識や資格がないと工業機械に触ることができないので、体験することはできませんでしたが、鉄工課で使う図面などを見ながら詳しく説明してくださいました!
大まかな流れは 、
図面を見て材料を切る→溶接する→錆止め塗装をする→ペンキで着色→完成です!
それでは図面の見方から順を追って紹介します。
図面の見方

まずはL‐90×75×9から説明していきます。
これはLアングルの縦90㎜の横75㎜厚さ9㎜の鉄骨を使うことを示しています。
この法則で図面を見ると下の□-125×125×6は、角パイプの縦横125㎜厚さ6㎜の鉄骨を使うということになります。
そして、M12ボルトとは、直径12㎜のボルトを使うことを意味しています。
どんな材料を使うの?

よく使うのは、角パイプとLアングルです。
素材は主に、鉄やステンレスを使います。


その他にも、C鋼、Cチャンネル、フラットバー(FB)、丸パイプ、丸棒、D筋と色々な材料を使います。

滅多に使わないもので在庫はなかったですが、H鋼という材料も存在します。
工場の柱や梁に沢山使われているので、見学に来た際は観察してみてください!!

鉄工で使われる材料はとにかく長いので在庫管理も大変そうでした。
どうやって切るの?

仕入れ時の長さは3mから5mくらいあり、それを「高速カッター」で任意の長さにカットして使っていきます。
高速カッターにも種類があり、大きいほうは鉄とステンレスを、小さいほうはアルミを切るのに使われています。
なぜ2種類あるのかというと、大きいほうのカッターは刃で切るイメージではなく、摩擦熱を一点に集中させることによって切るというイメージなので、鉄やステンレスといったその程度の熱に耐えられる素材の材料を切るのに適していて、熱に弱いアルミは溶けてしまうそうです。
一方で、小さいほうのカッターはノコギリのような刃がついていて、主にアルミの切断に使われています。

切断に使われる機械は高速カッターの他に、「アイアンワーカー」というものがあり、Lアングルの切断・フラットバーの切断・穴あけ・カキ加工・トメ加工が可能です。
アイアンワーカーで加工できる素材は、鉄のみに限られます。
ステンレスは鉄よりも固いので、アイアンワーカーで加工しようとすると刃のほうが折れてしまいます。
簡単に買い替えられるものではないのでメンテナンスも欠かしません。
加工できる材料の長さは最小50㎜~最大6000㎜となり、LアングルであればL6~65㎜までのサイズで、フラットバーであれば幅125㎜厚さ9㎜まで可能です 。
空けられる穴の大きさは、直径7㎜~22㎜までの穴を空けることができます。
どんな溶接機を使うの?


溶接で使われている機材は、アーク溶接機と半自動溶接機です。
それでは、これらの溶接機の違いを説明していきます!
アーク溶接機では、溶接棒を使用します。
また屋内だけでなく屋外でも使用可能で風に強いです。さらに狭いところも溶接できます。
しかし、半自動溶接機に比べると強度は弱いことが特徴です。


一方で半自動溶接機は、屋内で使用することを想定して作られており、溶接棒の代わりにワイヤーとガスを使用します。
屋外に持ち出すことはできず、風に弱く、狭いところは溶接できません。
しかし強度はアーク溶接機に比べて強く、一度溶接するとなかなか外れないそうです。
ついに塗装!

そうして溶接された鉄骨たちは、錆に強くするために錆止め塗装されます。 乾くまでに何日かかかるようです。
錆止め塗装が乾いたらようやく色付け塗装に入っていきます。
鉄工課では、モノが大きいので塗装ブースも塗装課よりも大きく作られていました!
主にペンキを使い塗装し、色の調色は塗装課に任せることが多いです。
塗装で使っている道具などは塗装課とほぼ変わりませんでした!
こうして看板を取り付けるための骨組みが完成していきます。
鉄工課は、看板を作るうえでとても大切な役割を果たしている場所ですが、実際に触って体験できることが少ないため持て余すこともありました。
しかし、研修を終えてみると看板作りになくてはならない存在だということが実感でき、日ごろから働いてくださってる皆様に感謝の気持ちが芽生えました。
この後も、他の研修生の記事がどんどん追加されていくと思うので、協同工芸社についてたくさん知ってください!
ご拝読ありがとうございました!
(玉那覇)